建築用ステンドグラスは、外に面してる窓に入れて外光の変化で、ガラスを四季折々存分に楽しめるし、生活通路のドアなどに入れて日常的に楽しむことができます。
それはそれで素晴らしい空間を作ることができるのですが、少しだけ発想を変えて、動くステンドグラスを制作してみました。ここでは仕様の詳細は控えますが、自由に移動できるのでお客様には大変喜ばれています。。
当初は外から室内が見えてしまう場所に、目隠し代わりとのご希望でした。
確かに外からの目隠しになっていますね。
これでひとつの目的は達成したのですが、お話ししているうちに、このような使い方も可だけど移動して玄関とかにも良いね、間仕切りにも使えそうね、とだんだんと夢が広がっていくようでした。
制作する側からも、このような見方はとても参考になると思いました。
さてここからは、デザインとガラス本体について少しだけお話したいと思います。
このパネルは見るからに透明感いっぱいのアンティークガラスをふんだんに使っています。特に西ドイツ製アンティークガラスは透過率に優れていて、心が洗われるような特別な印象を与えてくれます。
線画的なデザインとの絡み方としては、透明ガラスの中に少しだけ色を加えることで、独特の存在感のあるパネルになることが分かります。当スタジオ独自のデザインのひとつです。
比較的狭い日本の家屋を始め、さらに限定的なマンションなどの空間には、やはりある程度向こう側が見通せることが、ステンドグラスの圧迫感を和らげるひとつの条件のように思われます。その大きなメリットとして場所を選ばない自由さも充分に確保できるわけです。
お客様の玄関には、上品な赤をバックにしたフクロウと貝母百合をモチーフにしたステンドグラスを、新築時に設置させていただきました。